Trapcode Formで文字を砂のように消し去る

今回はTrapcode Formを使って、文字が砂のようにサラサラと消えていく動画を作ってみましょう。
これを応用すれば、砂が集まって文字が現れるような動画も作成できます。

以前ご紹介した記事”Trapcode Particularでモコモコした煙を作ってみる”と同様に、Trapcode Formは標準のAfter Effectsには含まれていないプラグインですので注意して下さい。

STEP 1: 消滅対象の設定

まずは、メインとなるコンポジションを”vanishing_text”という名前で作成して下さい。今回は複数のコンポジションを扱うため、それぞれのコンポジションに名前を指定します。

次に、そこにテキストレイヤーを作成し、消滅させる文字を入力しましょう。

その後、そのレイヤーを非表示にして下さい。

STEP 2: Formの設定

まずはform平面を作成し、「Trapcode」>「Form」よりFormを適用して下さい。

そしたら、以下のように各プロパティを設定して下さい。

Base Form
 Size X – (コンポジションの幅)
 Size Y – (コンポジションの高さ)
 Particles in X – (コンポジションの幅)
 Particles in Y – (コンポジションの高さ)
 Particles in Z – 1

Particle
 Size – (色が薄いと感じた場合は要調整)
 Color – (任意の粒子の色)

Layer Maps
 Color and Alpha
  Layer – (STEP 1で作成したテキスト)
  Functionality – RGBA to RGBA
  Map Over – XY

ここで、基礎知識としてFormの重要なプロパティを紹介します。

Base Form
 Size ~ – フォーム(粒子の集まり)のサイズ
 Particles in ~ – フォーム中に存在する粒子の個数(粒子の密度)

Disperse and Twist
 Disperse – 粒子の散らばり具合
 Twist – フォームのねじれ具合

Fractal Field
 Affect Size – 粒子のサイズの変化量
 Displace – 粒子の動く量
 Flow ~ – 粒子が流れる速度

しかし、説明だけでは分かりづらい部分もあるかと思いますので、以下にプロパティの特性が分かる動画を貼っておきます。

先ほどの設定で、粒子から構成された文字が現れたと思います。
ここで、「Disperse」や「Displace」にキーを打って消滅させてもいいのですが、それでは味気がありません。どうせなら、参考動画のように徐々に消滅させましょう。

STEP 3: 徐々に消滅させる

Formにおいて、「徐々に消滅させる」ということは「ある方向に向かってDisperseの値を上げていく」ことと等しいです。
このようにピクセルごとに値を設定したい場合には、マップを使います。先ほどテキストレイヤーを設定した「Layer Maps」>「Color and Alpha」もマップの一種です。

Formでは、「レイヤーの明るさ(もしくは透明度)がプロパティの値の大きさになります」
ですから、左から右へと文字を拡散させたいのであれば、「黒が、左から右へと徐々に白く染まっていく」レイヤーを用意してやれば良いということになります。

では、早速そのレイヤーを作っていきましょう。
”vanishing_text”に平面を作成し、「描画」>「グラーデーション」よりエフェクトを適用して下さい。
そしたら、以下を参考に各プロパティにキーを打って下さい。

00;00
 グラデーションの開始 – 0.0, 0.0
 グラデーションの終了 – -250.0, 0.0
01;20
 グラデーションの開始 – 250.0 + (コンポジションの幅), 0.0
 グラデーションの終了 – (コンポジションの幅), 0.0

これが完了したらこの平面を、”basic_map”という名前でプリコンポーズして下さい。この時、「すべての属性を新規コンポジションに移動」を選択して下さい。
その後、作成された”basic_map”を非表示にして下さい。

これで左から右へと徐々に文字を散らばらせる準備は整いました。

STEP 4: 徐々に消滅させる2

しかし、このままだと散らばった後にそのまま粒子が放置されてしまいます。
ですから、後を追うようにして文字を少しづつ黒くしていきましょう。黒くすることで、散らばった文字が消えるのは、STEP3のとおりです。

まずは、”vanishing_text”中のテキストレイヤーを、”text”という名前でプリコンポーズして下さい。
そしたら、”text”をダブルクリックし、一番上のレイヤーに”basic_map”を配置しましょう。
次に、描画モードを変更します。”basic_map”の上で右クリックし、「描画モード」>「シルエットルミナンスキー」を選択して下さい。

これで、準備完了です。

STEP 5: Formの設定

”vanishing_text”に戻って、再度formの設定をしましょう。
以下のように、各プロパティを設定して下さい。

Layer Maps
 Fractal Strength
  Layer – ”basic_map”
  Map Over – XY
 Disperse
  Layer – ”basic_map”
  Map Over – XY

Disperse and Twist
 Disperse – 70(要調整)

Fractal Field
 Affect Size – 10(要調整)
Displace – 400(要調整)
 Flow X – 50(要調整)
 Flow Y – 50(要調整)
 Flow Z – 300(要調整)

「Layer Maps」>「Disperse」では、STEP3で作成した”basic_map”を設定しています。
又、「Layer Maps」>「Fractal Field」にも”basic_map”を設定しました。これを設定していないと、「Displace」に0以外の値を設定した時に、散った文字ではなく文字全体に対して「Displace」が適用されてしまいます。

後は、適当にプロパティを調整したら完成です。

ちなみに、粒子が集まって文字が現れる動画の作り方ですが・・・これは言うまでもないですよね。
※”vanishing_text”を時間反転すればいいだけです。

お疲れ様でした。

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